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夜の果てへの旅 下

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遍歴を重ねた主人公バルダミュは、パリの下町に流れ着き、医者となる。底辺に生きる民衆の生活にかすかな希望を見出そうとするが……。人間社会の病根を完膚なきまでに暴露し、いまだ大きな問いを投げかけ続ける、二十世紀の重要作品。〈解説〉四方田犬彦

著者について
セリーヌ
Luis-Ferdinand Celineは筆名。一八九四年、パリ西北部の都市クールブヴァに生まれ、貧しさのなかで独学で医師免状を得る。第一次世界大戦で武勲をたて、復員後、国連事務局につとめ、各国を遍歴。のちパリの場末で医師を開業。一九三二年、『夜の果てへの旅』で一挙に作家としての名声を確立したが、反資本、反ユダヤ主義の立場からフランスを批判し、第二次世界大戦後戦犯にとわれ、亡命先のデンマークで投獄された。特赦で帰国するも、六一年不遇と貧困のうちに没す。

生田耕作
一九二四(大正十三)年京都生まれ。京都大学文学部仏文科卒。仏文学者。京都大学教授として教鞭をとる傍ら、バタイユ、マンディアルグ、セリーヌなどの紹介につとめるが編著書の猥褻性をめぐって大学と決別。自ら出版社を設立して孤高の立場を貫く。著書に『黒い文学館』『るさんちまん』『ダンディズム』、訳書にバタイユ『眼球譚』、ブルトン『超現実主義宣言』、セリーヌ『夜の果てへの旅』など多数。一九九四(平成六)年没。

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